5周年記念8連続ミニ個展 vol.1菅原窯展
カミヤーグヮー(琉球古典焼きエジプト紋)
明日からの作品展を前に、菅原窯を訪問しました。
いつ伺っても、整然としています。(写真1)
京都と沖縄でキャリアを積んでいた菅原さんですが、あるとき大阪日本民芸館で開催された金城次郎さんの壺屋時代(復帰以前)の作品展を見に行ったそうです。金城さんの作品は沖縄でも普段目にしていたけれど、この復帰以前の作品を集めた展示はそれまでと違う印象で、その力強さに感動したとのこと。
あるお客さんが、菅原さんの作品を見て「力強さの中にやさしさが伝わる作品ですね~」とおっしゃって、いい得て妙すぎてとても印象的だったのですが、なるほど、その力強さの部分はここに源流があるのか、と一人で合点。
昔ながらの製法にこだわるスタイルを貫いていて、土や釉薬は自前で作り、ろくろは蹴ろくろを使用。
粘土は水簸(すいひ)という方法でつくるのですが、土の粗さも自分で加減できるそうです。菅原作品のワイルドな感じは、土を粗めに調整しているからなんですね。
「伝統的なやちむんをやっているひとはみんな釉薬も自分で作ってますよ」・・・って初めて知りました!
オーグスヤーという翡翠色の釉薬は、真鍮くずともみ殻の灰で作るのだそうです。金属を粉末状にするため、一度1100度くらいで焼いた「オーグスヤーのもと」がこれ。初めて見た!!
蹴ろくろは優しい風合いに仕上がるようです。電動音がしなくて、動きもとてもピースフル。腰にも優しいそうです。
ところで、大人気の「エジプト紋」の由来ですが、いわゆる民芸運動とは別の潮流の「琉球古典焼」という、一時期冷遇されていたジャンルの文様のひとつだそうです。琉球古典焼きは、縄文土器風あり、ペンキを塗られている壺あり、猥雑ともいえるけどコミカルだったり自由だったり。最近見直され、人気が出てきているようですね。
さて、菅原さん、今後は厨子甕とか型もの、上絵や焼き締めなど、やってみたいことがたくさんあるそうです。今後の活動も楽しみです。
同じ大宜味村在住者として、気が付くと菅原さんとのおつきあいはけっこう長くて、当時私は螢窯としての参加でしたがいぎみてぃぐま展で10年前からご一緒しています。
今は私は仕入れ業者としてのお付き合いですが、年々人気が高まって、今では窯出しに大勢の業者さんが全国から集まって、近くにいながらちょっと遠い存在に・・・
と勝手にこっちが思っていただけで、本人はかわらず、いたって親切、誠実、真摯でチャーミングな方でした。
最後に、今回の菅原さんの作品、窯の仕業でしょうか、いつもの粗野な印象が抑えられて、つやつや輝いています。
作品が5周年を祝ってくれているかのよう・・・と勝手に解釈笑
ぜひご覧ください!
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