5周年記念8連続ミニ個展 vol.5岸本ウラチ・習太郎めおと展
岸本うらち・習太郎展、今回はめおと展ということで、「パートナーから見た作品づくりや作品を通した人となり」について聞いてみました。
■習太郎さんについてウラチさんから
今の習太郎さんの作品づくりにつながっているのは、幻聴、幻覚が起きる病気(統合失調症)だとウラチさんは言います。
病気をきっかけにマインドが変わって、陶芸の研究生として学んだことを超えた自由な、毎日の落書きのような作品が生まれるようになったそうです。
習太郎さんは、人間性が、「いいやつ」。
社会が作ったものさしで人を見ず、そのままの状態をうけいれ、楽しむことができる人とのこと。
おじいちゃんや子供、自閉気味の人の心までも開かせてしまう能力が尋常じゃなく、しかもそれはテクニックではなく、素によるもの。
素の状態で人に興味を持てるその無邪気さが本当にすごいといつも思うのだそうです。
作品が、「人が好き」というところにつながったのが今の状態で、自分はそのつながる決定的瞬間を特等席で見ることができたのだと嬉しそうに話してくれました。
「こういう人の作品だからいいものだろうと思う。」
■ウラチさんについて習太郎さんから
「最初の印象は、斜めからの視点が面白い人。
今は、愛が深い人だと思う。」
と習太郎さん。
作品から、生き物や植物、沖縄文化への愛の深さが伝わってくるといいます。
制作に際して生き物や文化のことを深く調べるのですが、作品を通じてそこに興味を持ってほしいのだそうです。
言葉より、作ったものから一番ストレートに伝わってくる。それがみんなに受け入れられているのを見ていると、立体のものを作るために生まれてきた人だと思う、とのこと。
彼女とは島根の陶芸の養成所で出会いますが、当初作っていた陶芸作品も今のしっくいも不思議と人が手に取るのを横で見てきて、魔法のようだといいます。感動して涙する人もいるそうで、作ることは彼女の使命なのだと。
そして、作っている時間が一番楽しそうなのだそうです。
彼女のインスタの写真も好きで、みんなと同じものを見てても違うものを見てる感じがするとのこと。
「関わっていくうちに、愛を教えてもらった。尊敬できる人。」
彼らとは工藝店オープン前からの割と長い付き合いになります。
5年間私たちの目の前で、ウラチ作品に心臓を撃ち抜かれる人が続出し、習太郎さんの作風はどんどん変化し、直感的に購入していく方が目に見えて増えています。
インタビューを改めてしてみて、凡人の私はそのピュアさにもじもじしてしまいましたが、今後二人の作家活動は果たしてどうなっていくのでしょうか。
注視していきたいと思います。
【岸本習太郎】
1981年 島根県出雲市生まれ
島根県奥出雲工芸房にて陶芸を学び、2008年に名護市に移住。以降県内外でグループ展に参加。アール・ブリュットの世界を表現した作品を制作しています。
【岸本ウラチ】
2011年 漆喰を用いたお面や山原の生き物シリーズの制作を開始。
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