5周年記念8連続ミニ個展 vol.6 紅型工房べにきち展

オリジナルの文様にはっと目が惹きつけられるべにきち作品。

リズミカルで楽しげな文様や、特徴をとらえたコミカルな生き物たち。

これらがどのように生まれてくるのか、工房を訪ねて聞いてきました!

紅型工房べにきちの吉田さんは関西出身で、県立芸大に入学するために来沖。在学中2年間も休学してスキンダイビングに没頭し、ワールドカップにまで出場してしまいます。

素潜り。グランブルーですね・・・!

ワールドカップには出場できなかった夫(吉田さん談)とともに、海が近い瀬底島に居を構え、紅型の工房を立ち上げます。ちなみに夫さんは現在、素潜りの漁師さんです!

作品づくりでこだわっているのは、

「オリジナリティと普遍性」。

「普遍性」とは、説明が要らないもの。

説明が要らないとはどういうことですか、と説明を求めてしまう私。

つまりは、だれが見てもいい作品、ということなんですね。

吉田さんは、普遍的な作品を作るために、妥協しないといいます。


型紙を作るのに2、3か月かけ、魚一匹のデザインに100パターン費やす。

徹底して考え、試みます。

線の一本、絶妙な発色。納得いくものができるまで手を抜きません。

これくらいでいいかなという気持ちだと、これくらいでいいかなという作品ができるからーーー

こう見せたいというイメージに緻密に寄せていくと、受ける感動の量が違うと言います。

山原工藝店でも大人気の鳥や魚の紅型ですが、たとえば足の本数とか背びれの形とかの正確さ、つまり説明的ではなく、パッとみた印象を重要視しているそうです。(そのために実物には4本ある足を3本しか描かないこともある。)山原工藝店には生き物マニアのお客様がよくいらっしゃいますが、べにきちさんの生き物シリーズのコレクターでもある常連さんが、しかしよく特徴をとらえているな~と毎回感激されます。なるほど、こういうことだったのですね。

緻密な計算が感動を生む、というと、なんだか矛盾しているようにきこえますが、めざすところが明確にあって、そこに到達するまでのたゆまぬ情熱というのが感動につながるのかしら。吉田さんの、この一貫してクールな雰囲気、言葉からも本人からもメラメラした熱さはないのだけど、うん、これはやっぱり情熱でしょう。そしてその情熱こそが才能なのだ。

私は文章を書くのが好きなのですが、過去に数回新聞のコラムを書いたときに、お金を少し頂いたのと字数制限があったので、句読点の配置、冗長な言葉を削る、何度も読み直して流れや受ける印象を確認する、など、時間と集中力を注いで仕上げたら、自分でも割と満足するものができました。比べるのがたいへんおこがましいですが、べにきちさんのいう説明が要らない作品を作る作業と似てるかも、と思いました。それにたまたま今、新事業「喜如嘉翔学校」で、絵本や詩のような「説明が要らない」文章を書くという宿題が課せられています。私も普遍的な文章を書きたい!べにきちさんから意欲をいただきました。

最後に、作品を通して伝えたいことはありますかときくと、

「自分が納得するものを作りたい」。

この答えもとっっっても好きです。

軸は自分にあり。

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